「自分の仕事を作る」に学ぶ
仕事を楽しくする工夫とは?

 

こんにちは

前職では指示待ち人間でした。
kyouです。

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今回は「自分の仕事をつくる 西村 佳哲 著 ちくま文庫」の紹介です。

この本はデザイナーたちへの自分の仕事の哲学を聞いたインタビュー集。

仕事を楽しくするための工夫に視点が置かれているため、デザイナーではない私達にも学ぶところの多い本です。

ちなみに読書ブロガーで有名な「スゴ本の中の人 Dainさん」も勧めておられます。

Amazonのページはこちら。

「会社行きたくねえ……」

前職時代は毎日こんな感じ。

「会社の仕事って上司に言われたことをやるだけだろ……」

本当にこう思っているくらいでしたから。

仕事が作業に思えて仕方がない。

上司や先輩からどれほど仕事の意義を諭されようと、私には響きませんでした。

そりゃ「トラブルは早く報告を」と言われて、報告したら舌打ちされたらそうなりますよ。

ただ私には腐る前にやるべきことがありました。

それは「目的の把握+相手のための一工夫」をすることです。

今でこそ、「辞める前にもっとやっとけばいいことがたくさんあったな」と思えます。

しかし、辞めた直後は「全部やり切った」と思っていました。

知らないことは怖いです。

今回の本はそんな「やっとけばよかった」をたくさん提供してくれました。

前職では目が死んでいましたが、今は少しだけ楽しくなりました。

・自分から動けないのは何故か?

自分で仕事を発展させられないと、上司からは評価されません。

自分から動けないのは「恐怖心」があるからです。

相手の目的を把握せずに仕事に入ると、大抵は的を外します。

その結果、「頑張っているけれど、言われたことしかできない」という残念な人事評価が付きます。

めちゃくちゃ生産性悪いですね。

本人は一切の悪気なく、死に物狂いで頑張っている。

だが、行動が全て裏目に出ている状態。

これは「恐怖心」が根本的な原因です。

「最近の若い人間は主体性が無い!!」とかではありません。

正直なところ本心では自分から動きたいと思っている。

ですが、自分から動いて大失敗した経験がトラウマになっているわけです。

必要なのは怒鳴ることではありません。

正確な検証です。

恐怖心を克服するために、目的の把握をより深く掘り下げましょう。

職場の機微まで条件に織り込まないと、一工夫のための勇気は出てきません。

目的の把握とは

『3倍速で終わるシンプルTodoリスト」で生産性は3倍になります。』の記事でも解説したように、 まずは目的の全体を把握しましょう。

「上司にとってこの仕事の目的は何か?」
「自分にとっては?」
「顧客にとっては?」と立場別に目的を掴むことが重要です。

これを前提に今回はもう一歩踏み込んでみます。

特に「何がその職場で喜ばれるか」という文化的な面についても気を配りましょう。

正直に1日目から聞いても良いレベルだと感じています。

職場の機微に目を向けないと、ハチの巣になります。

仕事の目的を外すということよりも、本質的には「上司の手を煩わせる」という状態の方が嫌われます。

目的は外しても時間的な猶予さえあれば、割と何とかなる。

私がリタリコワークス(発達障害向けの就労支援施設)で学んだことの一つに、「上司が如何に手間を嫌うか」という視点があります。

訓練の一環でプレゼンテーション大会に参加した時に、チームメンバーに仕事を振ることがありました。

かつての私がそうであったように、締め切りは色々な理由で間に合いません。

そこで気づきました。

「あ……これは全体の工程がとんでもないことになる」

ちなみにこれが起こったのは準備の序盤です。

本番までまだ3週間以上ある段階。

しかし既にアラートが鳴っています。

特に「〆切を伸ばす」というのはとんでもない手間を掛けるということが実感できました。

目的を把握するとは立場別の話だけでなく、「その職場で何が喜ばれるか」という問いまで具体的に出来ます。

もしかしたらExcelVBAで全自動化するよりも、お局の顔を立てることが何よりも重要かもしれません。

職場の慣習も「目的把握に入れ込む」必要があるわけです。

ここまで把握して、初めて自分の仕事の工夫が出来る。

まるで地雷原を歩いている気分です。

しかし、良い仕事は「上司や職場」と共に形作るという方向性を持つとこちらも気が楽になります。

その例として、この本ではアレッシーという企業のワークショップが取り上げられています。

業界の第一線を張るデザイン担当役員との勝負。

ポウリノ(デザイン担当役員)の中心的な目標はアレッシーの次の商品イメージを見つけ出すことであり、参加者もそれを心得ている。ここで行うデザイン提案はアレッシーの商品ラインナップに加わる可能性を秘めているのだ。
したがって教わるというより胸を借りるような、一種挑戦的な雰囲気も感じられる。
自分の仕事をつくる 西村 佳哲 著 ちくま文庫 p119 より抜粋

・仕事の一工夫を

相手のために一工夫をする。

しかも目的に沿った形で。

これが仕事の本質です。

その工夫をすれば、まず自分が楽しくなります。

最近私は訓練の一環で、ExcelVBAを使って支援施設の事務作業の改善を行っています。

もうすぐで、ものにできそうです。

作っているコードはネット上でサンプルがあるようなレベル。

高々数行です。

ですが、スタッフの意見を聞きながら試行錯誤するのは楽しい。

あまりに動かなくて発狂しそうになる時もありますが。

前職に比べて楽しさは段違いです。

変えたのは目的の把握と一工夫だけ。

この本によると、デザインの本場イタリアではデザイナーというのは「企業にモノの形を提案する人」なのだそうです。

どちらかといえば「コンサルタント」に近い立ち位置でしょうか。

「何を作るか」を提示し、現実化に向けたリーダーシップを取ることがその仕事の本髄なのだ。
自分の仕事をつくる 西村 佳哲 著 ちくま文庫 p237 より抜粋

この視点を持つことで、少しずつ自分の仕事を楽しく出来るのではないでしょうか。

必要なのは「目的の把握+一工夫」です。

本日のまとめ

仕事が作業に思えるのは、行動することに恐怖心があるから。

その恐怖心はより目的を深く把握することで払拭できます。

職場の機微まで変数に織り込んでしまいましょう。

上司や職場と共に「良い仕事を作る」というスタンスが気楽です。

その結果として一工夫をしやすくなる。

そうすれば仕事は楽しくなります。

仕事で悩むのは滅茶苦茶ツライ。

仕事で悩む人が少しでも減らせれば嬉しいです。

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ABOUTこの記事をかいた人

活字中毒歴16年目、年間100冊の読書と週3回の本屋通いが趣味 「行動するための読書」を テーマに書評を書いていきたいと思います。 メーカーの財務部を退職後 ADHD向けの就労支援施設にて訓練中