こんにちは
相変わらず社会でやっていくのに苦労してます。
kyouです。
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今回は仕事でAIに代替されない人間になる条件に迫ります。
参考図書は
「国語ゼミ AI時代を生き抜く集中講義 佐藤優 著 NHK出版 2018」と
「AI vs 教科書の読めない子供たち 新井紀子 著 東洋経済新報社 2018」の2冊です。
結論としては「文章の意味を理解できる人間になろう」という簡単な物。
「なんだそんなものか……」と思った方。
本当に出来ていますか?
「AI vs 教科書の読めない子供たち」では問題のサンプルが掲載されているので、是非解いてみてください。
割と絶望します。
私は特に類推能力に難がありました。
結局のところ「虚心坦懐に自分の読み方を振り返ること」と「本について話せる友人を持つこと」のこの2つが重要です。
私は自身の特性上、他人の意図を読み取ることが大変苦手です。
しかし、文章に関しての論理的思考力はそれなりのものを持っているという自負があり、
文字通りそれで身を救ってきました。
仕事は今後はAIによって大幅に変化することが予想されます。
今から自分の「読み方」自体も変えていけなければ、AIに仕事が奪われてしまうかもしれません。
AIは何が出来て、何ができないのか?
現状AIに出来ることは単純に言うと「流し読み」と同じレベルまで。
AIに出来ないことは「深い意味の類推」です。
例えばグラフと文章の内容が一致しているかどうか、具体例や定義と主張が一致しているかどうか、前提を与えられてそれをもとに推論できるかなどです。
流し読みはどんな語を説明しているかや指示語の内容が分かると言ったレベル。
本書では調査を通じて「教科書が読めない」現状を解き明かしていきます。
私も本書の問題に挑戦しました。
結果、「推論」の分野が特に弱かったです。
間違えたのは以下の問題。
次の文を読みなさい。
エベレストは世界で一番高い山である。右記の文に書かれていることが正しいとき、以下の文に書かれていることは正しいか。
「正しい」「間違っている」「判断できない」のうちから答えなさい。エルブルス山はエベレストより低い。
(筆者注 正解は「正しい」 私の誤答は「判断できない」
AI vs. 教科書の読めない子供たち 新井紀子 著 東洋経済 p193より引用
「世界で=地球上で」という前提条件を見落として、「火星にもっと大きい山あったよな?」みたいに考えてました。
提示された問題の前提条件を精査して結論を類推するのが苦手ですね。
ここが一つの分岐点になります。
自分から「類推能力」を付けているか?
実はAIに代替されるかどうかは「類推能力」の有無に掛かっています。
「意味を理解する」ということが、原理上AIにはできません。
私たちは既存の考え方の新しい組み合わせを自分たちで「考える」ことが求められるわけです。
「国語ゼミ」でもまさにこの能力の向上が企図されています。
ビジネスパーソンが敬遠しがちな小説作品から現代を読み解く技法を解説します。
小説を「社会の縮図」「人間と人間の関係の縮図」として読むことで、アナロジカルな読解力を磨く。
論理的な読解力とアナロジカルな読解力をあわせ持つことで、複眼的な読解力を身につけることが出来るのです。
国語ゼミ AI時代を生き抜く集中講義 佐藤優 著 NHK出版 2018p22より抜粋
これは特に経営者に求められる考え方です。
抽象度を1段階上げて物事を解釈する。
例えばお客さんとの交渉で経済学の「ゲーム理論」を使ってみる。
自分の会社の戦略を決めるために「歴史上の戦い」を参考にするなどですね。
こういった「類推能力」を重点的に鍛えることで、自分とは別の立場を類推できるようになります。
類推能力が共感能力に直結しているわけです。
別の立場の人を「類推」する
人の立場の違いが分かると、日常の行動が変わります。
類推能力が高ければ高いほど、多様な人を理解しリスペクト出来ます。
出生地、ルーツ、宗教、性別、年齢、組織での年次、役職、etc……
無数の要素を考えた上で、その人の立場を慮った言動が取れる。
まさに人間の人間である所以でしょう。
「アナロジー思考」から「共感力」へ
ペーターシュミレールや山椒魚たち(筆者注 課題図書の登場人物)に仮託して著者が言わんとしていることを正確に把握したら、それを現下国際情勢に当てはめてみる。
そのような「アナロジー思考」がいかに重要か、実践編の冒頭で強調しました。
そこから一歩進めて、登場人物の行動をどう評価するか考え、さらに、自分が彼ら彼女らだったらどう振る舞うか想像してみる。
そこから、他人の気持ちになって考えることができる「共感力」が育まれます。
国語ゼミ AI時代を生き抜く集中講義 佐藤優 著 NHK出版 2018p208より抜粋
話をまとめると、ある共通の書籍をベースに「自分ならどうするのか?」という視点でディスカッションをする。
このようにある種古典的な手法が、今後AIに代替されない人間になるためには重要なのかもしれません。
本日のまとめ
今回は仕事でAIに代替されない人間になる条件に迫ります。
文章の意味を理解できることがその分岐点です。
そのために自分の弱点を認め、読書家との人間関係を作りましょう。
AIは原理的に類推ができません。
類推能力を自分から鍛える視点を持って本を読みましょう。
類推能力を鍛えることが多様な立場の人を理解する助けになります。
私のように発達障害を持つと、その場の雰囲気は読めません。
しかし、書籍の力を借りて他人を慮ることはできます。
途方もない道のりですが、やっていきましょう。
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