「何でこの答えになるんだよ?!」
簿記はドツボにハマると何度となくこう叫ぶ羽目になります。
経済学部のくせに、
大学時代は簿記の必修単位を落としてました、kyouです。
こんにちは。
今回は簿記2級の参考書の紹介です。
結論は単純、「全体像を捉えることが大切」です。
(2018/7/18 追記 簿記3級の解説記事も書きました。)
そのために最適な参考書は、
「平成29年9月改訂 驚異の合格率78% 日商商業簿記2級合格塾」です。
「工業簿記」の範囲も出版されているので、
2冊購入することをおススメします。
そろそろ簿記2級試験の3週間前。
簿記検定を受検する予定の方は、
試験勉強が頭をよぎるころだと思います。
一応前職は財務部で働いておりましたので、私も日商簿記は2級を持ってます。
大学1回生で単位を落とすような人間でもこれを使えば受かることが出来る、
今回紹介するのはそんな参考書です。
ただ、その前に簿記2級の前提確認をば。
慢心ダメ、ゼッタイ。
簿記2級は本当に難しくなった。
今、日商簿記検定2級は試験内容が改訂され、変化の只中です。
かつては「パターン暗記とそれに基づいた問題演習」で取れて、
就職や転職の面接でもそれなりの評価になりました。
そんな「コスパの良い」資格という
イメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、平成27年以降3年をかけて段階的に試験範囲の改訂が行われています。
私が簿記2級に合格したのは第138回で、
改訂が行われる前のギリギリのタイミングでした。
日商簿記検定の公式サイトより引用します。
日商簿記の出題範囲は、平成27年度に全面的な見直しを行い、
28年度からの3年間で、段階的に改定することとしました。今回の変更では、企業会計に関連する諸制度の変更への的確な対応にとどまらず、
試験がより実際の企業活動や会計実務に即した実践的なものとなるように、
IT化およびグローバル化の進展、ビジネス・スタイルの変化等を踏まえて、
実務上の使用頻度が高く、より多くのビジネスパーソンに理解してほしい論点を出題範囲に追加するとともに、
現在の実務ではあまり見かけない事項等については、範囲から削除するなど、
出題内容の見直しを行っています。日商簿記は、さらに社会で役立つ、評価される資格となります。
引用URLhttps://www.kentei.ne.jp/bookkeeping
具体的な内容は本書に譲りますが、
覚えていて欲しいのは、
「もう簿記2級は生半可な試験ではない」ということです。
改訂が開始されて試験は9回開催されましましたが、
合格率は大半が30%を切っています。
10%代も3回ありました。
簡単な回も中にはあったようですが、
あまり期待できないでしょう。
(参考URLはコチラ
https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/data_class2)
実務に即した内容で、
「会計の全体像が理解できているか」を問われるようになっています。
全体像は本当に大切
「この数字はどこから来たんだ……」
簿記の勉強をしていて一番きついのは、
「解説を読んでも数字の出所が分からない」ことだと思います。
これは「全体像」を頭に入れず、
仕訳をとにかく覚えてごり押しの勉強をしているときになる症状で、
木を見て森を見ずという状態です。
特に「簿記一巡の手続き」「勘定連絡図」の2つに気を付けましょう。
私も大手の予備校が出す参考書を使っていた時期がありましたが、
妙に納得いかない部分がありました。
そして簿記2級からはこれは命取りになります。
順に解説していきます。
まずは「簿記一巡の手続き」から。
「簿記一巡の手続き」
「簿記一巡の手続き」とは読んで字のごとく、
商業簿記(株式会社で中小企業を想定)の一連の流れを示したものです。
「決算をどうやって締めるのか?」を簡単に表したものですね。
前年の期末を越えて、新しいスタートを切り、
1年の取引を記録していき、財務諸表を作る。
その一連の流れです。
「精算表はどこいった?」
(初見の方のために解説すると、
従来から多くこの形式で出題されてきた問題の種類のことです。)
そう思った方はすぐに本書を買って勉強しましょう。
試験に通りたいがためにここを疎かにすると以前は、
「1級以降の試験に受からない」と言われていました。
しかし改訂を経て、
「もう2級も受からなくなるだろう」というのが 私の実感です。
何故なら改定では「連結会計」という分野が新しく入ってきました。
この分野は「全体像」が分からないと本当にどうしようもない。
近年では中小企業と言われる規模でも、
「企業グループ」を形成する場合が増えてきました。
経済番組とかでもありますよね、「海外で戦う中小企業」。
本格的に海外進出して、現地で合弁企業とか作ったら確実に必要になります。
この背景があって、
この分野が簿記1級から一部移管されたのです。
そして商業簿記が難しくなることによって、
工業簿記にも影響があります。
勘定連絡図
「何で売上原価の金額こうなるん……」
簿記3級から順当に上がってきた人がまずぶち当たるのが、
「工業簿記の壁」ではないでしょうか。
なにせ馴染みがない「工場」が舞台なわけですから。
工業簿記では「勘定連絡図」というものが全体像になります。
これは工場で製品を作るために投入される、
「材料費」や「労務費」、「経費」を 集計して、
「損益」を出すまでのプロセスになります。
これが分からないと幾つもの慣れない分野を、
暗記で詰め込む羽目になります。
当然応用は効きません。
その上、日商簿記2級は配点の都合上、商業簿記の満点はかなり難しいので、
大多数の人にとって工業簿記は高得点を取ることが必須になります。
得点計算の上でも実力をつける上でも 「勘定連絡図」の理解は必要です。
ですが、分厚い本を前に「全体像」と言われてすぐに 理解できれば苦労はしません。
そこで「映像」の出番です。
映像を通じて、「全体像」を知る
「うーん、分かりはするけど……」
簿記は勉強していると何となく理解は出来ているが、
本番捻られると解けるかどうか不安。
そんな状態になることがあります。
それは「解き方の流れ」の細かいノウハウを 身に付けておらず、
解き方の再現性がないことが原因です。
この本の作者はYouTubeに講義をアップしています。
今時YouTubeと書籍の連動なんて当たり前だと思うかもしれませんが、
この人の凄いところは「下書き」にこだわっている所。
簿記は語学で例えると「作文」に相当します。
あなたは英語でも日本語でも文章を書くときに、
いきなり書き始めるでしょうか。
必ず下書きをするはずです。
簿記も同じです。
先ほど紹介した「連結会計」は特にその傾向が強いです。
きちんと決められたテンプレートに習熟し、
問題文の情報を整理できるようにならなければ、
時間内に解き終わらないでしょう。
本番は解くべきものと解かない物を分けることが必要でしょうが、
通常の勉強では完璧に回答する力を付けるべきです。
私は「本支店会計」という分野でお世話になりました。
重点分野で再現性のある実力が付けることが出来ます。
「下書き」をどう書いて情報を整理するかも、
実力を高めるために見逃してはならないポイントです。
回り道をしないように
「簿記は結構向き不向き分かれるからなあ……」
必修単位を落とした1年の春学期。
簿記の勉強法を聞いたときに、
大学の同期から言われた言葉です。
確かに簿記は適性の有無はハッキリ出るでしょう。
本当に出来る人はスラリとできる。
自分の不器用さに嫌気がさすこともあります。
結局私は簿記3級から始めて2級に合格するまでに、
2年を費やしました。
無駄だったと切り捨てはしませんが、
しなくても良い回り道はやはり多かった。
簿記2級は改訂されて確かに難しくなりましたが、
裏を返せばきちんと実力を精査する試験に変わっています。
「しっかり勉強して、自分の価値を高めたい」
そんな気持ちを持っている方には最適です。
今回紹介した参考書が、 そんな方のお役に立てれば嬉しいです。
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