「ヒルビリーエレジー」に学ぶ
貧乏になってしまう理由とは?

こんにちは

ようやく無職からの脱出が決まりました。

kyouです。

今回はそんな経験と重なる本の紹介です。
「ヒルビリーエレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たちJ.D.ヴァンス 光文社 2017 」になります。
Amazonのページはこちら

この本にも書いてありますが、貧乏になる理由は「生活習慣が崩れる」か「人間関係が崩れる」時です。

それを考えると、ブラック企業や過労が如何に貧乏に直結するかが分かりますね。

たとえ給与が高く設定されていても、あれは本当に割に合いません。

前職は東証一部上場企業ですが、転職の時に職務経歴が評価された実感はあまりないです。

過重労働が報われるのはコンサルティングや金融なんかの本当に一部だけでしょう。

無職になって何よりありがたいのは利害関係のない友人です。

日頃から他人の存在はきちんと肯定しておきましょう。

無職になると解ります。

他人を笑う時に使った指は、ブーメランで戻ってくる。

アレ、結構痛いですよ。

ヒルビリーってどんな人?

スコッツ=アイリッシュ(アイルランド系の移民のこと 筆者注)の家系に属し、大学を卒業せずに労働者階級の一員として働く白人アメリカ人。そうした人たちにとって貧困とは代々伝わる伝統と言える。「ヒルビリーエレジー」p8より抜粋

ここでの論点は特定の人種についての話ではありません。

何も考えずにいると、彼らの生活様式に似てきてしまうことが問題だということです。

健康への配慮が無くなり、協力というスキルが身に付かない。

学習性無力感が蔓延した変化の出来ない人間になりがちだということです。

職場からのストレスがそう言った構造を生んでいます。

一度職を失った私からすると本書で描かれるヒルビリーの様子は、「アメリカの話」と笑える内容ではありませんでした。

とても無関係とは思えない。

前職は自分の発達障害という条件もさることながら、職場の雰囲気の悪さが致命傷でした。

いつどこで災難が降りかかるか分かりません。

しかも、それは本当に自分にはどうしようもない理由で起こるかもしれないわけです。

社会のレールから外れた人に、驚くほど日本は冷たい。

自分だけは大丈夫という考え方は危険です。

外れたときに何よりも支えになるのは「利害関係のない友人」

もし職が無くなっても付き合える友人が居たら、ゼッタイ大切にした方が良いです。

気の置けない友人こそ大切に

特に学生時代からの友人は本当に大切にしましょう。

ただし前に進むことを忘れずに。

「今無職なんだよねー、参ったわ」

「まあそんな時もあるわな」なんて会話ができるのはこういった状況では命綱です。

本書の中でも随所に家族や友人との助けあいの場面が出てきます。

しかし、ここで注意して欲しいのは「前に進む」ことを忘れないこと。

「ヒルビリー」が貧困から抜け出せない理由もここにあります。

他人に依存するばかりで、自力で解決する姿勢が少ない。

友人を頼れるのはある意味で非常に楽です。

ですが、頼ることに慣れきってしまうと問題は解決しません。

面接会場で情緒が安定してこそ、友人関係は真価を発揮すると考えてください。

就労支援施設に行っていた時に何より感じたのは、「面接で自信のあることを言わないこと」の重要さです。

面接でアピールすることは重要ですが、「話題になった活動以外」でどれほど充実しているかどうかが大きな差になります。

転職活動中は誰だって不安定です。

そんな一生の選択の場面でもどっしり構えていられるのは基盤の人間関係があってこそ。

基盤をしっかり活かしましょう。

そのために「他人の存在価値」を無条件に認めましょう。

「死ぬな」の一言を他人に言えることは自分を救います。

お互い死ぬなよと言える友人関係を持ちましょう。

生活習慣は全部スキルです。

ヒルビリーエレジーの筆者は「海兵隊」に入隊して、まさに「生活習慣」の基礎を学びます。

海兵隊では、入隊した人間は全く何も知らないと想定している。

健康や衛生意識、金銭管理と言ったことについても、全く誰からも教わったことが無いと想定されているのだ。(中略)

海兵隊では、上司はきちんと仕事をしているかをチェックするだけでなく、部屋をきれいにしているか、髪を短くしているか、制服にアイロンをかけているか、いちいちすべてを確認する。(中略)

海兵隊ではこういった決定をするときにも戦略的に考えることを求められ、そのためにはどうすれば良いのかをたたきこまれた。

ヒルビリーエレジーp274~275より引用

この生活習慣を基盤にして筆者は大学や一流ロースクールへの入学を成し遂げます。

重要なことはこれらはスキルということです。

理解や暗記ではなく、「体得」しているかどうかが如実に出る。

発達障害向けの就労支援施設であるリタリコワークスで、こう言った話をよく聞きました。

「うちに通っている人は採用率が全く違う。朝起きて、職場に行き、仕事をして、夜眠る。
これだけで何千万円もの価値がある。」

この話は核心をついています。

しかもこれらは、些細なきっかけで失われやすい。

これらを維持管理するのも一つのスキルです。

リタリコワークスは実は私達が負担する利用料はかなりお安い。

何故なら国が大部分を負担しているから。

それこそ年間数百万単位で社会に適合する人間を作っているわけですね。

ぶっちゃけ仕事が出来る人間に必要な生活習慣は、どこの国もそう変わりません。

一度身に付けてしまえば何処でも通用します。

これは本当に大きい価値。

今が健康でもいつ失われるか分かりません。

日頃から生活習慣に気を使うことは数千万円に匹敵する投資です。

本日のまとめ

今回の参考図書は「ヒルビリーエレジーアメリカの繁栄から取り残された白人たち J D ヴァンス著 2017」です。

人が貧乏になる理由は以下の2つ。

1 生活習慣が崩れたとき
2 人間関係が崩れたとき

両方些細なきっかけでなくなります。

日頃から維持管理には気を使いましょう。

他人の存在価値は無条件で肯定しましょう。

それがあなた自身を救います。

ようやく希望が見えてきました。

協力してくれた方々、読んでくれた読者の方、本当にありがとうございました。

コメントを残す

ABOUTこの記事をかいた人

活字中毒歴16年目、年間100冊の読書と週3回の本屋通いが趣味 「行動するための読書」を テーマに書評を書いていきたいと思います。 メーカーの財務部を退職後 ADHD向けの就労支援施設にて訓練中