タタール人の砂漠
「惰性」への特効薬はこの本

こんにちは
自他共に認めるダラダラ大好き人間の
kyouです。
詳しいプロフィールはこちらです。

今回はそんな私が、
読み終わってすぐに記事を書こうと思った本の紹介です。

「タタール人の砂漠 ブッツァーティ 著 岩波文庫」になります。
Amazonのページはこちらです。

「行動できない。」「今日は疲れたから……」
「まあ明日やればいいか……」

やりたいことを先延ばしにする惰性に悩んでいる方も
多いでしょう。

その根本原因は「自分には時間がある」と思い込んでいるからです。

私もこのブログの主題に挙げるほど悩んでいますし、
何とかこの怠惰さを扱えるようになろうとしてきました。

怠惰は自身の持つ特性によるものも、
多分に理由としてはあります。

体調がどうしようもないことも多いので。

ですが、それだけに理由を帰着させるにはムリがあります。

自分自身に嘘を重ねてきたことも否定で来ません。
それは無視できないほどの大きさです。

この本は、そんな怠惰さに対する特効薬。

体調は悪くてもいい。

ですが、それは変化を止める理由にはならないと感じます。
出来る範囲で変わり続けましょう。

変化の一例としては、やりたいことをノートや手帳に書き殴りましょう。

思い通りにならないイラつきを紙にぶつけるだけでも大進歩です。

私は過去、体調の悪さにブチ切れて、手帳に殴り書きしていました。

このブログの下書きも読み終わって10分で構成を練って、
今書いています。

ちなみにこの本。
読書ブロガーとして有名な「スゴ本の中の人」であるDainさんが
若者に向けてのおススメ本として紹介しています。

こちらがその記事ですね。
「おっさんから若者に贈る「経験を買う」6冊」

私は今26歳ですが、本当に読めてよかった。

年間100冊は読書しますが、
今年に読んだ本の中で、
受けた衝撃はぶっちぎりのトップです。

Dainさんこの場を借りてお礼申し上げます、
ありがとうございました。

「やりたいこと」を後回しにするのは何故か?

すべての元凶は、
「自分には時間がある」と思っていることです。 

この考え方が、「やらない」ことを正当化するわけですね。
そりゃそうです。

明日も明後日もおそらく時間はあるんです。
この思い込みが変化へのモチベーションを奪っていく。

人間とは恐ろしいもので、
自分を正当化するためなら本気で思い込みます。

「今まで行動しなかった自分」を正当化するために、
今日も動かず、明日も動かない……という
サイクルが繰り返されるでしょう。

私もブログを書く上で一度、
さぼり癖が付くと抜け出すのは並大抵ではありません。

個人の意思は、心理学のメカニズムの前には無力です。

さらにもう一つ。
これは本書を読んでゾッとしました。
「待ちの姿勢」の恐ろしい結果です。

「待ちの姿勢」の弊害を知らない

本書では「いつか良いことがある」と待ちの姿勢を持ち続けた結果、
無為な人生を重ねた主人公が描かれます。

あくまで小説の話と笑い飛ばすことは簡単ですが、
特に企業で働いている方は他人事ではないように感じます。

小中高と勉強に明け暮れ、
就活を潜り抜けて、
ようやく入った職場。

そこまでやっても同じことを繰り返している。

「いつかきっといいことがある」と考えて、
待ち続けるわけですね。

ドローゴ(筆者注 主人公のこと)は大事なことはこれから始まるのだという幻想になおもしがみついているのだった。
タタール人の砂漠 ブッツァーティ 著 岩波文庫p291より引用

待ちの姿勢を貫くと、
「待つ」ことが習い性になってしまうんです。

本書では主人公が休暇の日数を使い切らずに、
職場の砦に戻ってきてしまう描写があります。

自分の故郷の町の変化についていけなくなり、
すぐに自分のペースでいられる場所に帰ってきてしまうんですね。

「変化したくない」
この心理が主人公に無為な人生を歩ませました。

私達にもこのリスクは常に付きまといます。
このリスクに対処するために、
少しでも「変化する」ことを習い性にしましょう。

そのために知るべきなのは想像しにくい、
「死の間際」ではなく 「無為な人生」を後悔するプロセスです。

「無為な人生」の追体験を

「死の間際」という想像しにくいものよりも、 
「無為な人生を積み重ねるプロセス」を体験する方が、
より危機感を持つことが出来ます。

本書では20代、40代、50代と描写の年齢が
区切られています。

それぞれの年代に応じた、
「後悔の仕方」を見ることが出来るわけですね。

20代は1日が「早く過ぎ去る」描写が多いですし、
40代以降は「若さを失った」と実感する描写が多いです。
そして50代は(当時の世相を考えると)病魔と闘うシーンが主なものになります。

1日が無為に流れ、
1週間が過ぎ、
いつの間にか数年が、
数十年が経っている。

時間は驚くほど速く過ぎていくことが、
疑似体験できます。

時間の大切さを知るために、
「自分の死に際を想像するべき」や「今日が人生最後の日と思う」という
言い方がされます。

しかし、私はむしろ時間を無駄にしている、
プロセスそのものを追体験する方が、
よりリアルに危機感を醸成すると考えています。

「あくまでフィクションだが、他人事ではない」
そんなリアルさが私たちを行動させてくれると感じます。

本日のまとめ

自分の怠惰さを治すには、
「タタール人の砂漠 ブッツァーティ 著 岩波文庫」を読むのがおススメです。
何故なら私達は「自分は時間がある」という思い込みがあり、
さらに「待ちの姿勢」に弊害があることを忘れやすいからです。

これらに対処するためには「死の間際」という想像しにくいものよりも、
「無為な人生を積み重ねるプロセス」を体験する方が、
より危機感を持つことが出来ます。

小さな変化を日常に取り入れましょう。

「無為な人生」を歩むリスクは、
小さな習慣で対処できます。

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ABOUTこの記事をかいた人

活字中毒歴16年目、年間100冊の読書と週3回の本屋通いが趣味 「行動するための読書」を テーマに書評を書いていきたいと思います。 メーカーの財務部を退職後 ADHD向けの就労支援施設にて訓練中